天皇陛下がオックスフォード大学に
留学された話です
テムズ川の水運史について研究なさっていた陛下は、
度々ニュー・ボドリアン図書館を訪れていました。
その日は強い雨で、
少し前にロンドンで買い求めたばかりの傘を
1階にある傘立てにさしたまま、
2階に上がり資料の調査に当たっていたそうです。
終わって出てみると傘が見当たりません。
受付で傘がなくなったことを告げると
「またやられたか。今日はこれで何件も発生している」
とのことでした。
結局
雨足の激しい道を
くずぶ濡れになってコレッジの自室へ
この時の天皇陛下のお言葉が深い
「その傘は気に入りのものだったため残念であったが、
誰かが濡れずに帰ったのだと思えば、
まあそれなりの貢献をしたことにもなろう。
コレッジに帰り私が風呂に
直行したことはいうまでもない」
そのお言葉には、
傘を持ち去った相手を責めるお気持ちはなく、
懐が深く、慈愛に満ちていることに
強く感銘を受けました。
小林正観さんの本(「幸せの宇宙構造」弘園社)に
こんな話がありました。
小林さんの知り合いの家に空き巣が入ったそうです。
たまたま財布に30円万をあって、
その30万円を盗まれたみたいです。
その人に「大変でしたね」と
多くの方が同情したのですが、
その方は笑顔でこう答えました。
「入られた家が我が家でよかった。
そのお金がなくてもなんとか生活が出来るし、
たまたま誰もいないときの空き巣だった。
もし人がいたら、どういうことになっていたか分からない。
そのお金を持って帰ったことで、
ほかの家が被害者にならなくて済んだ。
空き巣した人が、とりあえず30万円で1ヵ月か2ヵ月か
生活をしてくれたらいいと思います。
その間は、ほかの家に入らないでくれたらいいと思います」
普通だったら、ついてないとか、思うところ。
盗れらたことも恨みってはいないと言う。
ボクは良寛和尚が大好きのですが、
馬鹿がつくほど無邪気で物に
こだわらない話が数多くあります。
良寛和尚逸話選によると
「ある時、泥棒が和尚の庵の入った。
しかし、庵には盗む物が無かった。
そこで泥棒は和尚が寝ている蒲団を盗もうとした。
和尚は寝たふりをして自分から寝返りを打ち、
蒲団を盗りやすいようにしてあげ、
わざと盗ませたという」
ボクは もし同じような経験をしたら、
へこんでしまうかも。
恨めしく思ってしまうかも。
泥棒を思いやることができない
深いですね
〇誰かが濡れなく帰れたと喜ぶ
〇入られた家が我が家でよかった
〇わざと盗ませた
その発想。
その発想の転換が
風の時代に必要だと
感じました
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