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2026/09/27 15:07
たけメルマガで「許す」を
テーマにしたお話を連載しています。
すると、読者さんから
こんなメールをよくいただくんです。
「たけさん、私にはどうしても許せない人がいます」
その「許せない人」の8割は……
親や、身内の人でした。
性的虐待を受けた。
日常的に暴力を振るわれた。
愛を与えてもらえなかった。
捨てられた。
生々しい痛みが綴られたメールを読むたび、
ボクは胸が締め付けられます。
親を恨んでしまうのは、無理もありません。
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NHKのドキュメンタリー番組「ファミリーヒストリー」を見て、
ボクはテレビの前で涙が止まらなくなりました。
タレントの、武井壮さんの生い立ちです。
彼のお父さんは、かつて売れっ子の美容師でした。
でも、お客さんの女性と親密になり、
家庭から遠ざかってしまった。
やがて両親は離婚し、
お母さんは子どもたちを引き取れないまま
家を出ていきました。
武井さんが、まだ9歳の時です。
母に「甘えたい」年頃です。
残されたお父さんも、
わずかなお金を置くだけで
家に寄り付かなくなりました。
育児放棄です
家に取り残された兄弟2人。
どれほど不安で、寂しくて、
苦しい日々だったでしょう。
それでも武井さんは、
幼くして「自立して生きる道」を
必死に模索します。
なんと、近所や商店街の家々にお願いして回り、
ゴミを集めてゴミ捨て場まで運ぶという仕事を
自分で作ったそうです。
1軒月500円で
いわば「サブスク」です。
そうやって、
生きるためのお金を自分で稼いでいたのです
成績トップで学費免除の学校へ通い、
お兄さんも彼を高校へ行かせるために、
中学卒業後すぐに働き始めました。
しかし、悲しい運命は続きます。
スポーツで大学に進学した武井さんに届いたのは、
最愛のお兄さんが末期がんになったという知らせでした。
「お母さんに会いたい」
日に日に衰えていく兄の、最後の願い。
武井さんは母の実家に連絡しますが、
電話口の家族から
「ひどい思いをして帰らされ、
次に会うのが死ぬ時だなんてつらすぎる」
面会を拒絶され……
お兄さんはそのまま、息を引き取りました。
9歳でお母さんと生き別れ、
お父さんには育児放棄され、
たった一人の家族だったお兄さんまで失った。
親を、運命を
どれだけ強く恨んでもおかしくない
壮絶な人生です。
でも、武井さんは親を「恨まない」ことを選びました。
30代後半で“百獣の王”としてブレイクした彼は
50代になった今、お母さんについてこう語っています。
「一緒に暮らした期間は短かったですけど、
大切に育てていただいたので、
心穏やかに今を生きててくれればそれだけで十分です」
そして、育児放棄をしたお父さんのことも。
兄の闘病を機に関係を修復し、
晩年は自身の事務所の運転手として雇い、
がんを患ったお父さんを最期まで看取ったのです。
***
番組の中で、衝撃的な事実が明かされました。
お母さんは、番組スタッフが武井さんに
取材を始めるわずか2日前に、
亡くなっていたんです。
実は、お母さんは家を出た後も、
子どもたちと一緒に暮らしたいと
お父さんに懇願し続けていました。
再婚した後も、
遠くからずっと武井さんのことを
見守っていたそうです。
でも、再婚した新しい旦那さんには、
自分に子どもがいることを
一切言っていませんでした。
今回のNHKの取材を通して初めて、
旦那さんもその事実を知ったのだそうです。
新しい家族には誰にも言えず、
胸の奥にずっと秘めていた我が子への想い。
お母さんの遺品の中に、
そっとしまってあったもの。
それは、雑誌から丁寧に切り取られた
「武井さんの2枚の写真」でした。
その事実を知らされた武井さんは、
顔を覆い、カメラの前で子どものように
嗚咽を漏らしました。
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ボクは、このお話を通して
「だからあなたも親を許しましょう」
なんて、口が言えません。
それほどまでに
深い傷を負ってきたこと
とおもいます
今は、許せなくていいんです。
「絶対に許せない」というその強い気持ちは、
あなたが今日まで必死に自分を守り、
生き抜いてきた証なのだから。
ただ、武井さんの涙を見たとき、
ボクはこう思いました。
人を恨まないこと。感謝すること。
それは、ひどいことをした相手のためじゃない。
自分自身の心を自由にして、
自分の足で人生を歩いていくため
このものだったんじゃないかって。
うん、
なんか武井さんのことを、
ものすごく大好きになってしまいました
彼が号泣した後のその笑顔は……
まるで、悟りを開いた人のように
澄み切っていたんです。
「許す人」には、限りない魅力があるのですね。
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最後までお読みいただきありがとうございます